ライブで使う

ここでは、ライブ演奏時にBR-800を活用する方法を考えてみたいと思います。

打ち込みパートをBR-800で

ギター、ベース、ボーカル、ドラムという編成に、シンセパートを加えたいけれど、シンセのプレイヤーがいない、なんてことはよくあること。

家で作ったシンセパートに合わせてバンドが演奏する(いわゆる同期演奏)際にも、BR-800が活躍してくれます。

シンセパートが複数ある場合、いくつかのトラックにわけておけば、ライブ会場でのPAに合わせてパートごとの音量、音質が調整できるので便利です。

ここで気になるのが同期演奏用のクリックをどうするか? という問題。

同期演奏では、あらかじめ仕込んでおいたクリックをドラマーが聞きながら、それに合わせて演奏をするという方法がとられます。クリック音はドラマーのみが聴けるようにしなければなりません。

そのための機能が、LINE OUTとヘッドフォンの出力を別にする「OUTPUT MODE」です。

この機能により、トラックの音とリズムの音を、LINE OUT ジャックとヘッドホン・ジャックに分けて出力することができるようになります。LINE OUT からトラックの音を再生しながら、ヘッドフォンでリズムの音だけをモニターできます。リズムトラックの音をクリック代わりに使うというわけですね。

設定手順は以下のとおり。

  1. [MENU]ボタンを押す。
  2. カーソルの上下ボタンで「OUTPUT」にカーソルを合わせ、[ENTER]ボタンを押す。
  3. カーソルの上下ボタンで「OUTPUT MODE」にカーソルを合わせ、ダイヤルで「SPLIT」を選択。
  4. カーソルの上下ボタンで「PHONES」にカーソルを合わせ、ダイヤルでヘッドホンの音量を調節。
  5. [EXIT]ボタンを数回押して、プレイ画面に戻る。

「OUTPUT」モードを「NORMAL」にすると、LINE OUT ジャックとヘッドフォン・ジャックから、トラックとリズム両方の音を出力するモード(初期設定)となります。

ヘッドフォンの音量を調節する

上記項目でも触れていますが、ヘッドフォンの音量は、LINE OUTに出力するためのMASTERレベルとは別に設定可能です。

設定手順は以下のとおり。

  1. [MENU]ボタンを押す。
  2. カーソルの上下ボタンで「OUTPUT」にカーソルを合わせ、[ENTER]ボタンを押す。
  3. カーソルの上下ボタンで「PHONES LEVEL」にカーソルを合わせ、ダイヤルでヘッドホンの音量を調節。
  4. [EXIT]ボタンを数回押して、プレイ画面に戻る。

なお、BR-800の電源投入時は、PHONES LEVELは「100」に戻るので、セッティング時には注意が必要です。

マニュアル p.135も参照のこと。

クリック代わりのリズムトラックをどう作るか?

この方法では、クリックの代わりにリズムトラックを使用することになるわけですが、多少の注意が必要かもしれません。

第1は、BR-800のソングのテンポと、あらかじめ仕込んでおくシンセパートのトラックを合わせること。

シンセパートをDAWなどで作成、BR Wave ConverterでBR-800に流しこむわけですが、その音がリズムトラックと同じテンポで再生されなければ意味がないわけです。

MIDIクロックやMTCなどは用意されていないので、同期の精度が気になるかもしれませんが、テストしたところずれるという心配はないようです。

あとは、聴きやすいリズムパターンを選択することも必要です。リズム・トラックの音はドラマーが聴くヘッドフォンにのみ出力されるので、細かくパターンでソングを組む必要はないとは思いますが、曲の構成によって位置がわからなくなる心配があるなら、各自工夫が必要になるでしょう。

また、シンセパートを作る際は、カウントインの部分も考慮する必要があるのはいうまでもありません。

ギター+ボーカルの2人だけのユニットなんだけど

「ドラムパートもBR-800にまかせる」ということですね。

上記のドラマーがやる仕事はギターかボーカルのどちらかが担うことになります。通常はやはりギタリストですかね。ボーカルがヘッドフォンをしながら歌うのはちょっと苦しいような気がしますんで(まあ、自由ですけど)。

ギターの音づくりをBR-800でやりたい

家でBR-800のエフェクト機能を使って作りこんだギターサウンドをライブでもそのまま使いたい

そんな要望もあるでしょう。その場合は、ギターの音もBR-800のLINE OUTから出力することになります。

しかし、想定したサウンドが出せるとは限らないし、ライブハウスの音響(PA)の人があまりいい顔をしないかもしれません。

  • 家で聴くサウンドとライブハウスで鳴らされる音は大きく違う。
  • 同期演奏との音量・音質のバランスを取るのがむずかしい

といった点がその理由です。配線に関してはシンセ使用時とあまり変わらないわけですが、準備段階でライブハウス側との交渉が必要になりそうです。

以前、友人のギタリストがライブにLine 6 PODを持ち込んで会場のアンプにつっこんでいたのですが、サウンドづくりにとても苦労していました。やはり、家とライブではサウンドづくりの方法は同じようにはいかないようです。

逆に、カフェでの演奏など、小規模のPAしかないようなシチュエーションでは、ギターアンプの準備が不要、配線がカンタンになるという点でありがたがられるかもしれません。

ライブでの演奏経験がある方、ノウハウがある方は、「掲示板」にご意見をいただければと思います。


live_use.txt · 最終更新: 2011/05/31 00:00 (外部編集)
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